
画像引用元:株式会社スズキ自販関西
スイフトRSは走りの楽しさと日常の使い勝手のバランスが魅力ですが、その特性を理解しないと購入後に失敗や後悔に繋がる可能性があります。
この記事では、スイフトRSの購入で後悔しないために知っておくべき全ての情報を網羅的に解説します。具体的には、乗り心地や足回り、そして加速性能といった走行性能の実態から、燃費や維持費、気になるリセールバリューといった経済的な側面まで深く掘り下げます。
また、標準のスイフトとスイフトRSの違いはもちろん、スイフトRSとスイフトスポーツの違い、そして幻のグレード、スイフトRStとは何だったのか、それぞれのスペックやグレードの違いを明確にします。さらに、内装の質感や実用面での欠点、中古車選びで失敗しないための注意点まで徹底的に解説いたします。
スイフトRSの購入を検討する上で、事前に把握しておくべき後悔に繋がりやすいポイントが5つあります。これらを理解することが、購入後のミスマッチを防ぐ鍵となります。
第一に、硬質な乗り心地です。欧州で鍛えられた足回りは、コーナリングでの安定感が高い反面、路面の凹凸を正直に拾います。市街地の荒れた道や段差ではゴツゴツとした突き上げを感じやすく、快適性を最優先する方にはストレスの原因となる可能性があります。
第二に、絶対的なパワー不足を感じる場面があることです。1.2Lの自然吸気エンジンは軽量な車体を活発に走らせますが、高速道路での合流や急な登坂路では、もう少し力強さが欲しいと感じるかもしれません。特に多人数での乗車時は、加速に物足りなさを覚える場面が出てきます。
第三に、後部座席と荷室の狭さです。スタイリッシュなデザインを優先しているため、ライバル車であるフィットやノートと比較すると、室内空間、特に後席の足元スペースや荷室容量は限られます。大人4人での長距離移動や、大きな荷物を頻繁に積む用途にはあまり向いていません。
第四に、内装の質感です。機能的でスポーティにまとめられた運転席周りですが、使われているプラスチック素材に安っぽさを感じるという意見も見られます。コストとのバランスを考えれば仕方のない部分ですが、内装の高級感を求めるユーザーにとっては不満点になり得ます。
最後に、静粛性の問題です。走行性能と軽量化を重視した設計のため、高速走行時のロードノイズや風切り音は、同クラスの快適性重視のモデルよりも大きく感じられる傾向にあります。静かな車内での会話や音楽を楽しみたい方には、少し物足りないかもしれません。
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スイフトRSの評価が最も分かれるのが、乗り心地と加速性能の特性です。これらの点は、ある人にとっては最大の美点となり、別の人にとっては後悔の元となり得ます。
スイフトRSの乗り心地の根幹をなすのは、ドイツのアウトバーンをはじめとするヨーロッパの道で徹底的に走り込んでセッティングされた専用の足回りです。このため、サスペンションは硬めに引き締められており、高速道路での直進安定性や、カーブでの車体の傾きが少ないフラットな姿勢は見事なものです。路面からの情報がダイレクトに伝わるため、運転が好きな人にとっては「クルマと対話している」ような楽しさを感じられます。
しかし、この特性は裏を返せば、快適性の犠牲を伴います。路面が整備された道では気持ちよく走れますが、舗装の荒れた市街地や工事の多い道路では、細かな振動や鋭い突き上げが常に伝わってきます。特に、これまで柔らかい乗り心地の車に乗っていた方にとっては、「硬すぎる」「疲れる」と感じる可能性が高いと考えられます。
加速性能についても、誤解を避ける必要があります。91馬力を発生する1.2Lエンジンは、1トンを切る軽い車体と相まって、街中ではキビキビと走ります。信号からの発進や日常的な速度域では、力不足を感じることはほとんどないでしょう。
一方で、力強さが求められるシーンでは物足りなさが顔を出します。高速道路への合流で一気に加速したい時や、追い越しをかける際には、アクセルを深く踏み込み、エンジンを高回転まで回す運転が求められます。CVTモデルでは、アクセル操作に対する反応がやや穏やかに設定されているため、俊敏な加速を得るには意識的に強く踏み込む必要があります。この「性能を積極的に引き出して走る」プロセスを楽しめるかどうかが、満足度を大きく左右します。楽に速さを求めるのであれば、ターボ車であるスイフトスポーツや、かつて存在したRStが適任と言えます。
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スイフトRSには、そのスポーティな魅力の裏返しとして、いくつかの明確な欠点が存在します。これらは日常生活での使い勝手に直結するため、購入前に必ず自身の利用シーンと照らし合わせて許容できるか判断することが大切です。
最大の欠点は、やはり実用性の低さにあります。特に後部座席の居住性は、大人にとってはエマージェンシー用と割り切った方が良いかもしれません。運転席を身長170cmのドライバーに合わせると、後席の膝前スペースは握りこぶし1つ半程度となり、長時間の乗車は厳しいでしょう。荷室も同様で、日常の買い物には十分ですが、大きなスーツケースやゴルフバッグなどを積むのは困難です。ファミリーカーとしての利用を少しでも考えている場合、この点は後悔の大きな原因となり得ます。
次に挙げられるのが、静粛性(NVH)の低さです。軽量なボディは燃費や運動性能に貢献する一方で、遮音・吸音材は必要最低限に留められています。そのため、速度を上げるにつれてエンジン音やタイヤが路面を叩くロードノイズ、風切り音が車内に侵入してきます。音楽を聴いたり、同乗者との会話を楽しんだりするには、少しボリュームを上げる必要が出てくるかもしれません。
また、細かい部分ですが、コストダウンの影響が見られる点も欠点として指摘できます。例えば、室内のマップランプや、サンバイザーの裏にあるバニティミラーの照明が省略されています。夜間に車内で探し物をする際や、身だしなみを確認する際に不便を感じる可能性があります。Cピラーに隠されたデザインのリアドアハンドルも、見た目はスタイリッシュですが、初めて乗る人には開け方が分かりにくく、使い勝手が良いとは言えません。これらの点は小さなことですが、日々の積み重ねでストレスに感じる人もいるでしょう。
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スイフトRSの内装が後悔の要因になるかどうかは、購入者が何を重視するかによって評価が大きく変わります。
まず、ポジティブな側面から見ると、インテリアは完全にドライバー中心に設計されています。少しドライバー側に向けられたセンターコンソール、握りやすいDシェイプのステアリング、体をしっかり支える専用スポーツシートなど、運転に集中し、走りを楽しむための工夫が随所に凝らされています。メーター類もスポーティで見やすく、機能性という観点では非常に優れていると言えます。
しかし、質感に目を向けると、評価は厳しくなります。ダッシュボードやドアトリムの大部分は硬質なプラスチックで構成されており、視覚的にも触覚的にも高級感はありません。同価格帯のライバル車の中には、ソフトパッドを使ったり、デザインで上質感を演出したりするモデルもあるため、それらと比較すると見劣りするのは事実です。
したがって、後悔に繋がるかどうかは、まさにトレードオフを理解できるかにかかっています。走りのための機能的なコクピットとして割り切り、スポーティな雰囲気を好む方であれば、この内装に大きな不満は抱かないでしょう。むしろ、余計な装飾がないことを潔いと感じるかもしれません。
一方で、車の内装にクラス相応、あるいはそれ以上の質感を求める方や、同乗者に快適な空間を提供したいと考える方にとっては、このプラスチック感の強い内装は明らかな不満点となり、後悔の要因になる可能性が高いと考えられます。試乗の際には、走りだけでなく、必ず内装の隅々まで自分の目で見て、手で触れて、質感が許容範囲内かを確認することが不可欠です。
これまでスイフトRSの注意点を中心に述べてきましたが、もちろんそれを補って余りある多くのメリットが存在します。これらを正しく理解することが、後悔しないための重要なステップです。
最大のメリットは、何と言っても運転の楽しさです。硬めながらもしなやかな足回りは、ドライバーの操作に忠実に反応し、まるで自分の手足のように車を操る感覚を提供してくれます。カーブが続く道を走るときの安定感と一体感は、この価格帯のコンパクトカーでは類を見ないレベルにあります。日々の通勤路や買い物への道のりですら、特別な時間に変えてくれる魅力を持っています。
次に、そのかっこいいと感じさせるデザイン性の高さが挙げられます。RS専用のエアロパーツ(フロントバンパー、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラー)は、標準モデルとは一線を画す、低く構えたアグレッシブなスタイリングを完成させています。スイフトスポーツほど過激ではない、さりげないスポーティさが「分かる人には分かる」という所有する喜びを満たしてくれます。国産コンパクトカーにありがちな凡庸さとは無縁の、欧州車のような洗練された雰囲気も魅力の一つです。
また、経済性の高さも見逃せないメリットです。車両価格が手頃であることに加え、エンジンはレギュラーガソリン仕様で、燃費も良好です。スポーツ走行を前提としたスイフトスポーツと比較すると、タイヤ代や税金、保険料といった維持費全般を安く抑えることができます。走りは楽しみたい、でも維持費は現実的に考えたいという、賢明なドライバーにとって、RSは非常にバランスの取れた選択肢となります。
これらのメリットは、RSが持つ欠点を十分に補う力を持っています。運転そのものを楽しみ、愛車のデザインにこだわりを持ち、経済性も重視する。このような価値観を持つ方であれば、スイフトRSは後悔するどころか、最高のパートナーになってくれるはずです。
スイフトRSと標準グレード(XGなど)の違いは、単なる装備の差ではありません。それは、スズキがこの車に込めた走りの哲学の違いそのものです。購入後にこんなはずではなかったと後悔しないため、その本質的な差異を理解することが出発点となります。
最も決定的な違いは、シャシーのチューニングにあります。標準グレードが日本の道路環境に合わせて、乗り心地の良さを重視したセッティングが施されているのに対し、RSは全く異なるアプローチを取ります。開発段階でドイツをはじめとするヨーロッパに持ち込まれ、速度域の高い道路で徹底的に走り込みが行われました。その結果、RSには専用のショックアブソーバーとタイヤ、そして専用チューニングの電動パワーステアリングが与えられています。これにより、乗り心地は硬質で引き締まったものとなり、高速走行時の安定性やコーナリング性能が格段に向上しています。
外観も明確に差別化されています。RSには専用デザインのフロントバンパー、サイドアンダースポイラー、リアバンパー、ルーフエンドスポイラーといったエアロパーツが標準で装着され、視覚的にも低く、スポーティな印象を強調します。足元も、標準グレードの15インチタイヤに対して、RSは16インチの専用アルミホイールとパフォーマンス志向のタイヤ(185/55R16)が組み合わされます。
インテリアに目を向けても、RSは特別です。コーナリング時に体をしっかり支えるためにサイドサポート部が強化された専用シート、シルバーステッチが施された本革巻きステアリングやシフトブーツが、ドライバーのスポーツマインドを刺激する空間を演出します。
要するに、RSは標準グレードの単なる上級版ではなく、走りの質を追求するために、車の根幹である足回りから内外装に至るまで、特別なチューニングが施されたモデルなのです。この違いを理解せず、見た目だけで選んでしまうと、その硬い乗り心地に後悔することになるかもしれません。
参照:当時のニュースリリース
スイフトRSの購入を検討する人にとって、最も混同しやすく、そして最も大きな違いを理解する必要があるのがスイフトスポーツとの関係性です。結論から言えば、この2台は同じ「スイフト」の名前を持っていますが、設計思想から性能まで全く異なる、似て非なる存在です。
最大の、そして決定的な違いは心臓部であるエンジンにあります。RSが標準モデルと共通の1.2L自然吸気(NA)エンジン(91ps)を搭載するのに対し、スイフトスポーツは専用開発された1.4L直噴ターボエンジン(140ps)を搭載します。パワーで約1.5倍、トルクに至っては約2倍もの差があり、これは車の性格を根底から覆すほどの圧倒的な性能差です。
この違いはエンジンだけにとどまりません。スイフトスポーツは、RSの車体に強力なエンジンを載せただけの安易なモデルではないのです。ボディそのものが専用設計で、全幅はRSの1,695mm(5ナンバー)に対して1,735mm(3ナンバー)へと拡幅されています。これにより、タイヤの左右間隔(トレッド)が広がり、コーナリングの安定性が根本的に高められています。サスペンションも、世界的なブランドであるモンロー社製のショックアブソーバーを採用するなど、全てが専用品です。
つまり、RSが「標準車の優れたシャシーを、よりスポーティに仕立てた日常の延長線上にあるモデル」であるのに対し、スイフトスポーツは「圧倒的な動力性能を達成するために、シャシーから全てを造り直した本格的なスポーツモデル」なのです。
この思想の違いは、維持費にも表れます。RSは経済的なレギュラーガソリン仕様ですが、スイフトスポーツは高性能なターボエンジンのためハイオクガソリン仕様となります。車両価格はもちろん、税金や保険料もスイフトスポーツの方が高価です。日常の使い勝手を維持しつつ、ワインディングで走りを楽しみたいならRS、サーキット走行まで視野に入れた本格的な走りを求めるならスイフトスポーツ、という明確な棲み分けが存在します。この違いを理解しないまま選ぶと、性能を持て余したり、逆に物足りなさを感じたりと、後悔に繋がる可能性があります。
比較項目 | スイフトRS (FF/CVT) | スイフトスポーツ (FF/6MT) |
---|---|---|
エンジン | 1.2L 直列4気筒 NA | 1.4L 直列4気筒 ターボ |
最高出力 | 91 ps | 140 ps |
最大トルク | 118 Nm | 230 Nm |
全幅 | 1,695 mm (5ナンバー) | 1,735 mm (3ナンバー) |
使用燃料 | レギュラーガソリン | ハイオクガソリン |
サスペンション | RS専用チューニング | スポーツ専用設計 (モンロー製) |
位置づけ | スポーティな日常車 | 本格的なホットハッチ |
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4代目スイフトのラインナップには、2017年から2020年という短い期間だけ存在した、非常にユニークなグレード「RSt」がありました。中古車市場で稀に見かけるこのモデルは、RSとは全く異なる魅力と、人によっては後悔に繋がりかねない特性を持っていました。
RStとRSの最大の違いは、搭載されるエンジンとトランスミッションです。RSが1.2Lの自然吸気(NA)エンジンとCVTまたは5MTを組み合わせるのに対し、RStは最高出力102ps、最大トルク150Nmを発生する1.0Lの直噴3気筒ターボエンジン「ブースタージェット」を搭載し、これに6速オートマチック(6AT)のみが組み合わされました。
このパワートレインの違いが、走りの性格を大きく分けています。NAのRSがエンジンを高回転まで回してパワーを引き出す古典的な楽しさを持つのに対し、ターボのRStは低回転から力強いトルクを発生させ、アクセルを少し踏むだけでグイグイと加速する、現代的なダウンサイジングターボ特有のパンチのある走りが特徴でした。特に中間加速の鋭さは、1.2LのRSを明らかに上回ります。
では、なぜこれほど魅力的なRStが廃止されたのでしょうか。そして、どのような点が後悔に繋がり得たのでしょうか。理由の一つとして、3気筒エンジン特有の振動やノイズが挙げられます。近年の3気筒エンジンは非常に洗練されていますが、それでも4気筒の滑らかさには一歩譲る面があり、このフィーリングを好まないドライバーもいました。また、トランスミッションが6ATのみで、RSのようにダイレクトな操作感を楽しめるマニュアル(MT)が選べなかったことも、一部の走り好きにとっては物足りない点でした。
最終的には、スイフトスポーツとのキャラクターの重複を避けるためのグレード体系整理の一環として、RStはラインナップから姿を消しました。RStは、手軽に力強い加速を楽しめる魅力的なモデルですが、3気筒ターボのフィーリングとMTがないという点が許容できるかどうか、購入前に自身の好みと照らし合わせることが、後悔を避けるための鍵となります。
スイフトRSシリーズには、ガソリン車の「RS」、マイルドハイブリッド搭載の「HYBRID RS」、そしてターボモデル「RSt」と、複数の選択肢がありました。それぞれのスペックとグレードの違いを正確に把握することが、後悔のない中古車選びに繋がります。
基本となるのは、1.2L 直列4気筒の自然吸気(NA)エンジン「K12C」を搭載するモデルです。
最高出力91psを発揮する純粋なガソリンモデル。トランスミッションは、ダイレクトな運転が楽しめる5速マニュアル(5MT)と、滑らかな加速のCVTから選べます。最もシンプルで、車の挙動を直接感じたいドライバー向けのグレードです。
上記のエンジンに、ISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドモデルです。モーターは発進や加速時にエンジンをアシストし、燃費向上に貢献します。ただし、モーターのアシストはあくまで補助的なもので、EV走行はできません。動力性能が劇的に向上するわけではなく、あくまで燃費志向の選択肢と考えるのが妥当です。トランスミッションはCVTのみとなります。
これらとは一線を画すのが、前述のターボモデルです。
1.0L 直列3気筒の直噴ターボエンジン「K10Cブースタージェット」を搭載。最高出力は102psとRSを上回り、最大トルクは150Nmと1.5LクラスのNAエンジンに匹敵する力強さを低回転から発揮します。トランスミッションは6速オートマチック(6AT)のみの設定でした。
以下の表に、主なスペックの違いをまとめます。
グレード | エンジン | 最高出力 | 最大トルク | トランスミッション |
---|---|---|---|---|
RS | 1.2L NA | 91 ps | 118 Nm | 5MT / CVT |
HYBRID RS | 1.2L NA + MHV | 91 ps | 118 Nm | CVT |
RSt | 1.0L ターボ | 102 ps | 150 Nm | 6AT |
このように、同じRSシリーズでもパワートレインによって走りの性格は大きく異なります。「エンジンを回して楽しむ」ならRSの5MT、「燃費とイージードライブ」ならHYBRID RS、「手軽で力強い加速」を求めるなら中古のRSt、というように、自身のドライビングスタイルに合ったグレードを選ぶことが、満足度を高める上で非常に大切です。
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スイフトRSを所有する上で、その経済性は非常に気になるポイントです。購入後の後悔を避けるためにも、カタログ燃費だけでなく、リアルな実燃費と具体的な年間維持費を把握しておきましょう。
まず燃費ですが、公式なWLTCモード燃費では、1.2LガソリンのRS(FF)は5MT車で21.8km/L、CVT車で20.0km/Lとされています。マイルドハイブリッドのHYBRID RS(FF/CVT)は21.0km/Lです。
実際のオーナー報告を見ると、実燃費はこれらの数値を下回るものの、依然として良好なレベルです。市街地走行と郊外路を組み合わせた平均的な乗り方で、16km/L~18km/L前後という声が多く、経済的なコンパクトカーと言えます。一方で、廃止された1.0LターボのRStは、実燃費では15km/L前後と報告されており、パワフルな分、1.2Lモデルよりは燃費面で若干不利になります。
次に、具体的な維持費を見ていきましょう。主な項目は税金、保険、そしてメンテナンス費用です。
1.2Lエンジンは「1,000cc超1,500cc以下」の区分に該当し、年額は30,500円です(2019年10月1日以降の新規登録車)。
両重量が1トン未満のため、車検時に支払う2年分の税額は16,400円です。1年あたりに換算すると8,200円となります。
年齢や等級、補償内容によって大きく変動しますが、一般的な試算では年間で7万円前後が一つの目安です。
大きな部品交換がなければ、法定費用(自賠責保険料含む)と基本料金を合わせて、2年で約6万円~8万円程度が相場です。1年あたり3万円~4万円と見ておくとよいでしょう。
これらに加え、RS特有のコストとしてタイヤ代が挙げられます。RSが装着する185/55R16というサイズのタイヤは、標準グレードのものより高性能な銘柄が多く、交換費用が高くなる傾向にあります。タイヤ4本セットで、安価なものでも3万円台から、高性能ブランド品になると7万円を超えることもあり、これはRSを選んだことによる直接的な追加コストと言えます。これらの費用を合計すると、駐車場代とガソリン代を除いた年間の維持費は、おおよそ15万円前後からが目安となりそうです。
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車を購入する際、将来的な資産価値、つまりリセールバリューは総所有コストに大きく影響する要素です。スイフトRSのリセールバリューは、決して悪くはありませんが、非常に高いとは言えず、現実的な期待を持つことが後悔を避ける上で大切です。
市場のデータを見ると、スイフトRSの価値は、新車登録から3年後までは比較的に良好な水準を保つ傾向にあります。3年後の残価率は約58%というデータもあり、これはスポーティなキャラクターとデザイン性が一定の評価を得ていることを示しています。特に、マイルドハイブリッド搭載の「HYBRID RS」や、希少価値のある「RSt」は、標準的なガソリンのRSよりも若干高く取引されることがあります。
しかし、注意が必要なのは5年目以降の下落です。ある調査では、5年後の残価率は25%程度まで下がり、7年後には新車価格の1割にも満たない6%程度になってしまうという厳しいデータも存在します。これは、リセール市場の優等生であるトヨタのシエンタやホンダのフィットといった、より実用性の高い人気車種と比較すると見劣りする水準です。
この傾向が示すのは、スイフトRSが持つ「走り好き」というニッチな魅力は、新車から保証期間が切れるあたりまでの期間で評価されやすく、年数が経つにつれてその特殊性が薄れ、一般的なコンパクトカーとしての評価に収束していくということです。
これらのことから、もしリセールバリューを最大化したいのであれば、スイフトRSを売却する最適なタイミングは、最初の車検を通した後の3年目から、2回目の車検を迎える前の5年目までの間と考えられます。それ以上長く所有する場合は、資産価値として大きく期待するのではなく、乗り潰すくらいの気持ちで付き合う方が、精神的な満足度は高いかもしれません。
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スイフトRSは、そのスポーティな性格から、中古車として購入する際には特に注意深いチェックが求められます。後悔しない個体を見極めるための、具体的な注意点を解説します。
まず外装ですが、RS専用のエアロパーツ周辺を重点的に確認してください。フロントバンパー下部やサイドアンダースポイラーは擦りやすい部分です。傷や割れ、そして修理した痕跡(塗装の色の違いや質感の差)がないか、様々な角度から光を当ててチェックします。パネル間の隙間が均一でない場合、事故による修復を疑うべきです。特に、サイドシル(ドア下の車体骨格部分)に損傷や不自然な修理跡がないかは、車体の剛性に関わるため慎重に見る必要があります。
RSの生命線である足回りは、試乗で必ず確認したいポイントです。段差を乗り越えた際に「ゴトゴト」「コトコト」といった異音がないか、耳を澄ましてください。停車状態で車体を揺すってみて、揺れがすぐに収まるかもチェックポイントです。また、タイヤの内側だけが極端に減っている「片減り」は、サスペンションの異常やアライメントの狂いを示唆する重要なサインです。
エンジンは、異音や過大な振動がないかを確認します。特にCVTモデルを検討する場合は、可能であれば整備記録を確認し、CVTフルードの交換履歴があるかを販売店に尋ねてみると良いでしょう。スズキの公式見解では無交換とされていますが、定期的に交換されている個体の方が、より安心して長く乗れる可能性が高まります。
中古車選びで絶対に必要なのが、リコール情報の確認です。4代目スイフトには、安全性に直結する重要なリコールがいくつか出ています。
最悪の場合、走行中にエンジンが停止する恐れがある、極めて重要なリコールです。
ドアを強く閉めた衝撃でエアバッグが誤作動する可能性がありました。
ヒーターの熱で革が硬化・亀裂する不具合。
これらのリコール対策が確実に行われているかは、車台番号を元にスズキの正規ディーラーで確認できます。
また、国土交通省の公式サイトでも詳細を確認可能です。
参照:国土交通省:自動車のリコール・不具合情報
購入を決める前に、必ず販売店に対策済みであることの証明を求めることが、後悔を避けるための絶対条件です。
スイフトRSの購入で後悔しないためには、その魅力と欠点の両方を正しく理解し、自身の価値観と照らし合わせることが何よりも大切です。この記事で解説したポイントを以下にまとめます。